傷ついた川の命の叫び キャメラで追って10年 魂のドキュメンタリー。

(撮影監督 堀田泰寛)

東日本大震災はわたくしたちに大きなショックを与え、それぞれの “生き方” の根源をゆさぶりました。
直後、苦しみをもつ人びとから、「いまどんな本を読めばいいか」という問いかけをうけました。 わたしはためらわずにジャン・ジオノ作・フレデリック・バック絵の「木を植えた男」をすすめました。
映画「流 ながれ」は日本の「木を植えた男」です。
神奈川県の中津川を舞台に、なんのテライもなく地道に“自分の場所で自分のできる努力”をつづけているふたりのおじいさんの姿は混乱しているわたしたちの指標であり、はげましです。
しずかな映像と語り口でおじいさんの活動を伝える「流 ながれ」は多くの人びとへの大きなエールになるでしょう。

(作家 童門冬二)

ひととひと。ひとと生きもの。ひとと瞬間。ひとと季節。ひとと場所。ひとと在処。
それらをつないでいるものを、じっと見つめ、かたちにしていくこと。
どんなときも、まなざしは一定だ。
なぜなら、人間は人間だから。このことだけは決して揺らがないと知っているから。
画面のそこかしこに息づく穏やかな確信。
この映画には、わたしたちが最終的に信じられるものだけが映っている。

(ノベライザー 相田冬二)

これまで、世界の大都市はすべて河川の沿岸あるいは河川に近い場所に建てられてきました。川は国の中を走る動脈です。しかし不幸なことに、特に工業化が進んで世界の人口が急速に増加していた時代、とても多くの大きな川が傷つけられました。
私は英国で生まれ育ちましたが、例えば、当時ロンドンを流れるテムズ川はたいそう汚れ、バクテリアしか棲めないような有り様でした。しかし今では、テムズ川を含めて英国のすべての主要河川にサケが戻ってきています。これは市民意識の高まり、法制度の整備、高度な汚染防止技術、そして人々の努力の結果によるものです。
日本は長い海岸線と高く連なる山々を持ち、雨や雪が多く、多くの素晴らしい河川に恵まれています。それらの川は酸素が豊富で、水は濁りなく透明で冷たく、非常に多彩な顔ぶれの淡水生物が暮らしています。
しかし現在では、日本の河川の98%以上がひどい状態となっています。河川に関する法律は多数あるのに、淡水生物を考慮に入れたものはほとんどありません。日本政府と都道府県や市町村などの自治体は20世紀半ば以降、醜く破壊的なコンクリートを川に持ち込むことに熱中しました。深い山奥を流れる小さな渓流でさえ、コンクリートによって水の流れが破壊されていきました。 現在私は、江戸時代に造られた潅漑用水路に暮らすイワナなど河川の生き物を守るために戦っています。この用水路は今でも機能していますが、これが破壊され、両岸も川底もコンクリートで固められた水路となってしまえば、生き物が暮らすことは難しくなります。
日本の河川の美しさ、貴重さ、ユニークさ、そしてその悲惨な現状、また、本来河川を守るべき人々が川に対して犯している罪。映画「流 ながれ」によって、これらに対する市民の意識が高まることを望みます。

(C.W.ニコル・アファンの森財団理事長 /作家  C.W.ニコル)

希少生物と向き合う見た目高齢者2名の主役が、愚痴も含め人間と自然の関係に欠かせない科学・経験哲学を随所で語り、水生昆虫の不思議な造形芸術も映した自然保護映画。
助ければ答える自然から生涯飽く事のない目標と次世代に繋ぐ使命を得た御両人に、私は自然との同調が人生を豊かにする見本を見た。

(医学博士/登山家 今井通子)
お問い合せ : movie@nagale.info